勲章顔

徒然亭若狭

(貫地谷 しほり)

3/29に放送が終了した

NHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」の

関東での平均視聴率が15.9%で

シリーズで最低を記録したそうな。

 関東地区でのこれまでの過去最低

「天花」(2004年)を下回ったとか。

作品の価値と視聴率は

まったく関係がないとワタシは

常々考えているんだけど

ここまで視聴者がバカ

だとは思わなかった。

でも、このドラマを制作した人たちは

この数字にガッカリする必要はない。

もう、かえって勲章。

ドラマの中に出てくる、落語通の

散髪屋・磯七(松尾貴史)のセリフで

落語は客の方にも理解力が

必要だというようなことを言っていたけど

哀しいかな、その通りなのだ。

これだけ、落語の世界を楽しくわかりやすく

そして親しみやすく紹介したコンテンツを

古今東西ワタシは知らない。

これを見ないようなら、

日本人なのに米を食べないと

言ってるようなもんだ。

ジャンクフードのように

刺激だけで栄養のないお笑いだけ

食べて生活してるんだなあ。

「ちりとてちん」を食え!

でも、そんな日本人だけではないからね。

逆に言うと、15パーセントも

落語好きがいるってことが証明されたんだもん。

全国にしたら、すごい数の人がこのドラマで

落語の世界に興味を持ったに違いないよ。

それに藤本有紀サンの脚本は実に細かく丁寧に

登場人物のキャラクターを彫り込んで

情感豊かに人間模様をドラマにしていた。

落語と落語家と落語が好きな

庶民に対する愛情があふれているので

ワタシは何度もテレビの前で

目頭を熱くしたなあ。

特に、おじいちゃんが死んで、

ショックを受けた子供時代の喜代美と

それを心配していた、おかあちゃんが

山の上からかわらけ投げをするシーンは感動。

笑いがあるから、クロスカウンターパンチの

威力があって、ぐばーっと滝涙だったなあ。

主役の貫地谷しほりちゃんは

「不器用でドジ」な演技が大げさで

役者としてはまだまだという気がするけど

それも、芸達者な脇役たちに支えられて

今回はうまく役にはまっていた。

ところで、このドラマのタイトルになった

落語の演目「ちりとてちん」は架空の珍味で

カビが生えて腐った豆腐の事だった。

知ったかぶりで、イヤミなヤツに

これを食べさせて懲らしめるという噺。

東京では同じ内容で

「酢豆腐」という噺。

もし、見たこともないのに、

視聴率が低かったことで

このドラマのことを悪く言う輩がいたら、

「ちりとてちん」を食わせるぞ。

ドラマを見なかった人は

実に気の毒!酢豆腐じゃなくて

すどおり




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