あしたのジョー顔

福士加代子選手

大阪国際女子マラソンで壮絶に惨敗(1/27)

5000メートルとハーフマラソンの日本記録保持者で

日本では敵なしの「トラックの女王」が

満を持しての初マラソンと、期待は高かったんだけど

あまりにも準備不足で無謀な挑戦だったみたい。

ふつう、初マラソン前には、少なくとも40キロ走を

5本以上はやっておくもんなんだそうだけど

福士選手は30キロ走すらやってないままの

いわば「ぶっつけ本番」だったとか。

なんでも、大好きなエチオピアで合宿中

男子の世界記録保持者ゲブレシラシエの

「マラソンなんてイージーだよ」という言葉をもらったんだとか。

常識を超えたトップアスリート同士でしか

わかりえない世界だけれど、現実は厳しかったようだね。

序盤はぶっちぎりでトップを独走したものの、

30キロ手前から失速して次々と抜かれ、

最後はフラフラ、ヨロヨロ

トラックで何度も転倒しては立ち上がる

福士選手の姿はニュース映像で繰り返し流された。

あれはちょっとショッキングですらあったね。

スタンドのお母さんは「もうやめて」と絶叫してるのに

福士選手はそのたび笑顔で立ち上がって、

とうとうゴールインした。

体の状態と表情があまりにもかけ離れていて、

ちょっと、怖いくらいだった。

そう、「あしたのジョー」のクライマックスみたい。

とっくにKOされていてもいいほど

ダメージを受けていながら、試合続行しようとして

時に笑顔すら浮かべるジョーの執念に、

チャンピオンが恐怖を覚える。

あの壮絶なシーンを思い出しちゃった。

でもまあ、福士選手は真っ白な灰になったジョーとは違って、

どうやら選手生命にかかわるようなことは

ないようだからホッとしたんだけど。

本人はレース後、初マラソンの感想を聞かれ、

「おもしろかったかな」と笑ったとか。

ということは、あの壮絶な笑顔も、つまり

勝気な福士選手ならではの強がりなのかなあ。

いや〜、壮絶に

おもしろい人だ。




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